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研究推進課社会連携係

小型無人ジェット機による離着陸を含む完全自動飛行に成功−大学機関では国内初−

配信日:2026/08/19

室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センターを中心とする教員・学生チームは、高速飛行する小型無人ジェット機「オオワシ」(以下:「オオワシ」)の離陸から着陸までの完全自動飛行に成功しました。

「オオワシ」のポイント

・高速飛行する小型無人ジェット機の離陸から着陸までの自動飛行に成功
・機体は超音速を目指して設計したもので,離着陸を含む飛行特性を検証した
・無人ジェット機の完全自動飛行は、国内の大学では初
・高速飛行に適合した自動制御パラメタの設定や舵面の製作精度などがカギ
・広大な北海道の地域産業での活用や災害観測などでの利用に期待

背景

 室蘭工業大学では2005年に設立された航空宇宙機システム研究センターを中心とする教員・学生チームで「大気中を高速度で飛行する基盤技術」に関する各種研究開発を行ってきました。白老実験場の広大な試験環境を生かし、他大学では頻繁に行うことの難しい飛行実験や屋外エンジン試験などを実施、そのノウハウを確立してきました。2017年に低速のプロペラ機での自動操縦には成功していますが、このたび技術的難度の高い無人ジェット機での離陸から着陸までの完全自動飛行を達成しました。

 4発のプロペラを備えたマルチコプターは操縦の容易性から広く産業利用されるに至っていますが、本質的に空気抵抗が大きく、長距離の低燃費飛行には向いていません。これに対し、飛行機のような翼を備えた固定翼機は自動操縦の技術的難度が高いものの、空気抵抗は小さく、より高速で長距離の観測や物資運搬に適しています。このような無人ジェット機での完全自動操縦については、一部の民間企業では成功していますが、国内の大学では初となります。

「オオワシ」の概要と技術要素

 「オオワシ」は超音速での飛行を念頭に設計したもので、クランクト・アロー翼と呼ばれる翼形状を採用しています。室蘭工業大学大学院工学研究科 溝端 一秀 准教授が中心となって風洞実験や車載走行試験による空気力学特性の把握や機体構造へのフィードバックを続けると共に、樋口 健 名誉教授、江口 光 助教らによる着陸脚設計、今井良二 教授らによる燃料タンク設計や湊 亮二郎 准教授によるインテーク設計なども進められました。現行モデルの飛行機体の製作および飛行試験プロジェクトは2018年頃から行われ、少しずつ改良を重ねてきたものです。最終的には強力なジェットエンジンあるいはロケットエンジンの搭載により超音速での飛行も可能な機体設計になっていますが、その場合にも最も難しいのは離着陸時の制御であり、今回の試験はこの点を打開したマイルストーンであると言えます。機体製作は当初、本州の業者に依頼していましたが、次第に内製率を高め、本学航空宇宙工学コース有志学生チームによって精度の高い組み立てノウハウが確立できるようになりました。また、操縦精度を決める舵面のエレベーター軸などは地元室蘭の永澤機械殿に依頼し1/100mmの精度で製作してもらっています。

 自動制御においては上羽 正純名誉教授が白老滑空場、鹿部飛行場などで手動操縦を組み合わせる形で培った運用ノウハウ・操縦性の改善をベースとし、2023年度から畠中 和明 准教授が新たに構築した自動制御システムにより、高速飛行での安定制御を可能とする制御システム設定に成功しました。

 高度情報はGPS・気圧センサと共に、最終アプローチではレーザー距離計を併用することにより精度の高い着陸を実現しました。テレメトリには920MHz帯の通信機器を使用しています。これらの搭載機器も含め、1機あたり100万円程度のコストで製作しています。

波及効果と今後の展望

 高速で航続距離の長い固定翼無人機は火山噴火時や水難事故などの災害時広域観測において有用であると期待されます。目視外飛行の実現に向け、機体の大型化と燃料搭載量の増加、また北沢祥一教授の専門的知見を活かした、長距離無線伝送技術の実装も進めます。

 「オオワシ」の現在の最高速は250 km/h程度ですが、将来的に超音速までの飛行も可能な機体形状であり、きわめて高速での初動能力を有しています。高速の初動機に続いてホバリング可能なVTOL固定翼機の編隊を現場に送るなどのハイ・ローミックスでの運用形態が考えられます。

 「オオワシ」は無人機自動飛行技術のフラッグシップと位置付けておりますが、これのみならず、例えば垂直離着陸性を備えた無人機を活用した積雪深度のレーザー計測など様々な実証研究も進めており、様々な用途に合わせた多彩な無人機活用の研究を実施しています。

 このような実証試験を経験した卒業生は重工業メーカーなどで設計・製造からシステム運用までをリードする人材として活躍することが期待されます。

「航空宇宙関連研究開発への支援」をよろしくお願いいたします。

Yell

ユーザーの応援コメント

  • こはく

    室蘭工業大学

    大学機関として国内初の完全自動飛行成功、おめでとうございます! 「オオワシ」のこれからの快挙も楽しみにしています!

Yell

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こはく

室蘭工業大学

大学機関として国内初の完全自動飛行成功、おめでとうございます! 「オオワシ」のこれからの快挙も楽しみにしています!

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